はじめてのJava

Java基礎 2

1.本章での学習項目

本章では、Eclipseという統合開発環境を使用して、Javaプログラムのソース作成から実行までの使用方法を学習します。

2.Java環境構築

それでは、まず初めに、Javaを学習するために環境構築を行っていきましょう。

プログラミングをしてそのプログラムを実行するためには、開発環境と実行環境が必要となりますので、その環境を構築します。
※環境構築は こちらを元に行ってください。

3.「こんにちは世界!」の表示

さて、環境構築が完了したら、以下のように「こんにちは世界!」をEclipseのコンソールに出力するプログラムを作成してみましょう。
詳しく説明していきますので、手順通りにプログラムを作成していってください。


first java eclipse helloworld

Information

本講座では、説明の都合上、Eclipseの背景色を白(ライト)にしています。
Eclipseのバージョンによっては背景色が黒(ダーク)になっているため、教材と同様の背景色にしたい場合は、Eclipse上で下記の操作を行い変更してください。

上部にあるメニューの 「ウインドウ」 ⇒ 「設定」 ⇒ 「一般」 ⇒ 「外観」 ⇒ 「ルック&フィール」 を “ライト” に変更 ⇒ 「適用」 ⇒ Eclipseの再起動

プログラムの作成は、以下の手順で行います。

  1. プログラムソースコード作成
  2. コンパイル
  3. プログラム実行
Information

世界でもっとも有名なプログラム「Hello World」

ほとんどのプログラミング言語は、学習の一番最初に、「Hello World!」や「こんにちは世界!」を画面上に表示するプログラムを作ります。
「Hello World」を表示するプログラムは、世界で一番有名なプログラムなのです。
新しく言語を習得する際には、このプログラムを作ることになるでしょう。プログラム言語を学習するという目的と併せて、開発環境や実行環境が正常に動くかどうかを確認するために、このプログラムを作成します。

4.プログラムソースコード作成

それでは、「こんにちは世界!」を表示するプログラムソースコードを書いてみましょう。
まず最初に、Eclipse画面左に表示される「パッケージ・エクスプローラー」に「プロジェクト」を作成します。


first java eclipse explorer

「プロジェクト」とは、Eclipseでは、いくつかのJavaプログラムを一機能やアプリケーションとしてまとめたものです。
上部にあるメニューの「ウィンドウ」⇒「パースペクティブ」⇒「パースペクティブを開く」⇒「その他」を選択します。


selectopenwin

「Java」を選択し「開く」ボタンを押下します。


selectjava

「プロジェクト」を作成するには、画面左上の「ファイル」をクリックし、表示されたメニューから「新規」⇒「Java プロジェクト」を選択します。


createproject

「新規Javaプロジェクト」画面が開きます。
「プロジェクト名」に「FirstJava」と入力し、「実行環境 JRE の使用」を「JavaSE-17」に変更して、「完了」ボタンを押下してください。


projectname

次のように、「パッケージ・エクスプローラー」内に「FirstJava」プロジェクトが作成されました。


first java project 1

プロジェクトの左側にあるマークをクリックし、プロジェクト内の詳細を確認すると次のように表示されます。


first java project 2

「FirstJava」配下に「src」という名前のフォルダが確認できます。これは「ソース・フォルダ」と呼ばれるものです。
「ソース・フォルダ」とは、Eclipseで、Javaプログラムのソースファイル(拡張子が「.java」)を格納するフォルダです。

コンパイルした際に作成されるバイトコードのファイル(クラスファイルと呼びます。拡張子が「.class」)は、別の「bin」フォルダに格納され、ソースファイルとクラスファイルが整理された状態で保存できます。

さて、いよいよソースファイルの「クラス」を作成します。
「クラス」とは、Javaプログラムそのものです。Eclipseで「クラス」を作成することになります。
まず、「src」フォルダを右クリックし、メニューから「新規」⇒「クラス」を選択します。


first java create class

すると、「新規 Javaクラス」画面が開きますので、この画面でクラス名を入力します。
今回は「HelloWorld」とします。「名前」に「HelloWorld」と入力してください。
また、下の方にある「public static void main(String[] args)」にチェックを付けてから「完了」ボタンを押下します。
「public static void main(String[] args)」については、後で説明します。
実行したいクラスを作成するときは、チェックをつけるようにしてください。


classname

以下のようなソースが、Eclipseのエディター部分に作成されます。


first java eclipse editor

HelloWorld.java
public class HelloWorld {
	public static void main(String[] args) {
		// TODO 自動生成されたメソッド・スタブ
	}
} 

それでは、表示されているプログラムソースに、「こんにちは世界!」を出力するソースコード、
「System.out.println(“こんにちは世界!”);」を1行入力してみましょう。
また、「// TODO 自動生成されたメソッド・スタブ」はクラス作成時に自動で生成されるコメントです。
こちらを削除してからプログラムを入力するようにしてください。

HelloWorld.java
public class HelloWorld {
	public static void main(String[] args) {
		System.out.println("こんにちは世界!");
	}
} 

入力する場所、入力するソースコードのスペルや大文字、小文字も気をつけて、記述してください。
もし、間違っていると、エディター画面にエラーを表す赤い×マークが表示されます。
この×マークがあると、コンパイルして実行することができませんので、入力した内容を再度確認してください。
なお、下の例の場合、「;(セミコロン)」を入力し忘れているため、エラーになっています。


first java eclipse error

修正し、赤い×マークがなくなったらプログラムソース作成は完了です。

5.コンパイル

作成した直後はファイル名の前に「*(アスタリスク)」がついた状態になっています。


besave

この状態はプログラムが保存されていない状態です。
また、Eclipseは保存と同時にコンパイルしますのでコンパイルもされていません。
プログラムを動作可能にするにはコンパイルが必要です。

それでは、プログラムソースを、バイトコードにコンパイルしてみましょう。
コンパイルをするとクラスファイルが作成されます。
Eclipseは、「保存」ボタンを押下することで、簡単にコンパイルができます。
作成したプログラムは必ず保存し、プログラムを変更した場合も保存を行うようにしましょう。
※ ショートカットキーである「Ctrl+S」でも同様の操作を行うことができるので、活用するようにしましょう。


save

保存が正常に行なわれるとファイル名の前についていた「*(アスタリスク)」は消えます。

6.プログラム実行

コンパイルが終了したら、プログラムを実行してみます。
プログラムソースが記述されたエディター画面上で右クリックし、「実行」⇒「Javaアプリケーション」を選択します。


javaclassexec

「コンソール」に「こんにちは世界!」の文字列が出力されていることを確認します。
出力されなかった場合は、再度手順とプログラムソースを確認してください。


first java hello exec

以上の手順で、Javaのソース作成から実行までを行うことができます。

今後、新しいサンプルソースや課題のプログラムを作成する場合、同様の手順で新規で「クラス」を作成してソースコードを記述してください。
この章以降、コンソール出力は以下のような表示で説明します。

こんにちは世界!
Information

ファイル名とクラスの名前

これから、多くのプログラムソースを書くことになりますが、プログラムのファイル名とプログラムソースの中に記述されている「public class クラス名{・・・・」のクラス名は、同じである必要があります。
サンプルソースを実際に書いて、動かすときに、ファイル名とクラス名が異なると、エラーとなり動きませんので注意してください。


classfilename

7.練習問題1

7.1.問題1

上記で作成した「FirstJava」プロジェクトの「src」フォルダの中に、自分の名前をコンソールに表示する「MyName」クラスを新規作成し実行してください。

MyName.java
public class MyName {
	public static void main(String[] args) {
		// 自分の名前をコンソールに出力
		System.out.println("名前");
	}
}

この問題では、コンソールに自分の名前を出力することが目的で、実行すると、

名前

とコンソールに表示されればOKです。
名前を出力しているのは、

System.out.println("名前");

という部分で、「System.out.println」は、直後の()内に入っている文字列等をコンソールに出力してくれます。
()内についてですが、自分の名前を「””(ダブルクォーテーション)」で括っていることを確認して下さい。
文字列(今回は「名前」という文字列)を、そのままコンソールに出力する場合は、この「””(ダブルクォーテーション)」が必須です。
また、「System.out.println」の最初の「S」のみ大文字であるということに注意して下さい。

最初のプログラムと、Eclipseの基本的な操作については、以上です。

執筆・編集

Tech Fun Magazine編集部
Tech Funの現役のITエンジニアが、システム開発の基礎知識や実践的なノウハウを執筆・編集しています。
Tech Fun ITスクールの研修講師として活躍するメンバーもおり、プログラミング初心者がつまづきやすいポイントを丁寧に解説しています。

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