生成AIはこれまで、
といった「思考支援」に使われることが中心でした。
一方で、エンジニア向けにはClaude Codeのように、実際にコードを書き、修正し、開発作業を進めるための“作業寄り”の機能も登場しています。
つまり、
生成AIは「考えるAI」から「手を動かすAI」へ
と進化し始めています。
そして今回紹介するClaude Coworkは、その“作業を任せる”という考え方を、エンジニア以外の業務にも広げる機能です。
チャットで相談するのではなく、フォルダを渡して「これ、やっておいて」と任せる。
そんな使い方が可能になります。
本記事では、Claude Coworkの基本と、業務活用の可能性を整理します。
Claude Coworkは、Claude Desktop上で動作するタスク実行型ワークスペースです。
通常のチャットと違い、
といった「実際の作業」まで行います。
単なる文章生成ではなく、
計画 → 実行 → 確認
までを一連のタスクとして完結させる点が特徴です。
Coworkの特徴は、「ファイルを扱えること」にあります。
チャットのようにテキストだけで完結するのではなく、
といった操作が可能です。ほんの一例ですが、例えば次のようなことが実現できます。
フォルダを指定して、
といった整理作業をまとめて実行できます。
「ファイルを1つずつ見る」のではなく、「フォルダごと渡す」という発想です。
複数のファイルを読み込み、
といった処理が可能です。
メモやレポート、調査資料などを元に、新しいドキュメントを生成できます。
既存情報をもとに、
といったアウトプットも可能です。
単なる文章生成ではなく、「資料作成プロセス」に組み込める点が特徴です。
ファイルの中身を読み取り、
といった構造化処理も実行できます。
“読む”だけでなく、“整理して次の工程に渡せる形にする”ところまで担えるのがポイントです。
このようにCoworkは、
テキストを生成するAIではなく
ファイル・アプリを扱い、作業を完了させるAI
という位置づけになります。
Coworkは、非エンジニアを含むすべてのビジネスユーザーが使えます。後半にデモを載せていますが、使い方は非常に簡単で、プログラミングは不要です。自然言語で手順を説明するだけで使えます。
ただし注意点として、Coworkは無料プランでは利用できません(2026年3月10日現在)。利用できるのは、以下の有料プランです。
個人ユーザーでもProプラン以上であればCoworkを利用可能です。
なお、Coworkは初期の研究プレビュー版として提供されています。今後仕様や提供条件が変更される可能性がある点は留意しておきましょう。
今回はシンプルな例として、猫の画像のフォルダ整理を行いました。
(本当は領収書仕訳などを行いたかったのですが、個人情報のマスク等の都合上、猫の画像にしました)
3匹の猫の写真が格納されているフォルダがあります。それを見て、猫種ごとにフォルダに分配してもらいます。

Coworkに実行させるのは、非常に簡単です。
フォルダを指定して、次のように依頼するだけで実行してくれます。
3種類の猫の画像が混ざってるので、猫種ごとにフォルダ分けして下さい。複数写っている場合は、複製し、それぞれのフォルダに分配して下さい。

実行が完了すると通知が来るため、放置しておいて別の作業に取り組んでおく、ということができます。
Coworkは、指示内容とフォルダの状態をもとに、実行手順を自動で計画します(下記画像右上の進行状況)。
その後、自身で立てた戦略通りに実行します。
今回Coworkは、
という手順で処理が実行されました。

どのような手順で実行されたかが、最後にレポートとして提示されます。
意図と異なる処理が行われていないかを確認し、必要に応じて再指示を出すことが可能です。

実行後、新たに3つのフォルダが作成されていました。
またそれぞれの中に、分類された画像が複製されていました。

例えば「スコティッシュフォールド」のフォルダを見てみると、しっかり分類されていました。

重要なのは「猫」ではありません。
という構造にあります。テキストファイルだけでなく、各種ドキュメントファイルや画像にも適用できるので、応用の幅が大きく広がります。
猫の画像の整理で行ったことは、そのまま請求書処理に応用できます。
例えば:
ケース1:取引先ごとの自動仕分け
このフォルダ内の請求書を、取引先名ごとにフォルダ分けして下さい。
ケース2:月別整理+Excel台帳転記
発行日を読み取り、年月別フォルダに整理してください。
さらに取引先名・金額・請求日をExcel台帳に追記してください。
ケース3:未処理請求書の抽出
支払期限が過ぎているものを一覧にして下さい。
上記のような、「目視確認+転記+整理」という作業をまとめて任せられます。
Coworkは単体でも十分に活用できますが、Skills・外部連携・Pluginsを組み合わせることで、業務レベルの活用へと拡張できます。
Skillsは、特定の作業手順や知識をまとめて定義できる仕組みです。
例えば:
といった処理をスキルとして登録しておけば、毎回プロンプトを書かなくても、同じ品質で実行できる、という状態を作れます。
定型業務が多い組織ほど効果が出やすい部分です。
MCP(Model Context Protocol)を活用することで、Claudeを外部ツールや社内システムと接続できます。
例えば:
フォルダ整理の延長ではなく、「業務フローの中に組み込む」という使い方が可能になります。単体タスクから、プロセス全体の自動化へと発展させられるのが外部連携の価値です。
下記では、外部連携できるコネクタが紹介されていますので、ご参照下さい。
Claude Connectors
Pluginsは、
などをパッケージとしてまとめた仕組みです。個別に設定するのではなく、特定業務向けの機能セットをまとめて導入する、というイメージです。
特定業務に特化した環境を整えたい場合に有効です。様々なプラグインがすでに提供されていますので、簡単に利用することができます。
Claude Coworkは、文章を書くAIではなく、作業を実行するAIという位置づけです。
「考える」だけでなく「やっておいて」と任せられる。この違いは、業務効率において大きな意味を持ちます。
今後このブログでも、
などを紹介していく予定です。
生成AIを「使う」から「任せる」へ。その一歩として、Coworkは非常に有力な選択肢の一つと言えるでしょう。
Tech Funでは、お客様のフェーズに合わせ、生成AI活用に向けた支援を3つのパックでご提供しています。
生成AIに限らず、Web・業務システム開発やインフラ設計など、技術領域を問わずご相談を承っています。「何から始めれば良いか分からない」という段階でも構いませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。